月黄泉ノ唄読み

まだ引きずってみる

今回「月黄泉ノ唄」では、わかりやすく小悪党な政治家「左大臣」をやらせていただきました。
そういえばあんまりやったことなかった役ですね。小悪党。
いかにおばちゃん役専門だったかと。

ご感想下さった方々、ありがとうございました。
えへへ。わるかったですか。えへへ。ほめ言葉ですよね。えへへ。
あと、「声が好き」「声で分かる」と言って下さる方、ありがとうございます。
えへへ。嬉しいです。えへへ。
昔は自分の声が好きじゃなかったのですが(変声期あったしな)。
言われるたびに恥ずかしながらも声帯に感謝です。

声と言えば女子楽屋に入るときにふざけて
「失礼します」
とか低く進言してみたら、イマズ役の井上くんと間違われてあわや締め出し、という一幕もあったです。
わー。わしおんなのこじゃよー。

衣裳費、がっぽり投入していただきました。
暑いのでハケ裏では裾まくって腕出してってひどい格好でした。
何年ぶりかで、幅1センチ級のアイラインも入れました。
私やっぱり見た目から入る役者です。すみません。

特筆事項として。
開演一発目、板付き明転の栄誉ですよ。
高台から客席を見下ろし、さあパーティーの始まりだぜ宣言。
わっるい顔して高笑い、お客様を異世界へお連れする重責。
それはもう緊張する

かと思いきや、そうでもなかったですな。
何十回と繰り返したセリフに信頼を託して。

稽古期間の後半は、ダンス練習と通し稽古をひたすらリピート。
で、ダンス練習にはわしら参加しとらん訳ですよ。貴族ですから。
みんながヒイヒイと動き回る裏で、右大臣こと永田くんと一緒に何度も何度もいらないことをやりながら練習してました。

そして、
某R大の屋外での稽古時、月に照らされた外階段の踊り場で、ダンス練習をやるみんなを眺めながら、右大臣と左大臣は、なんか掴んだんです。
この視点を忘れまい、と。

高台によっこらしょうと上がるたびに、あの夜をリピートしていました。
あのときやたら徘徊していたGのこととか(外なのにさ)。

それから、
たぶん、今回の「月黄泉ノ唄」を観に来て下さった方のなかから、
「以前、ここで演劇の公演を観てから、いつかこのホールで公演するのが夢だったんです」
と瞳をきらきらさせながらホールのドアを叩く方が、いらっしゃるのではないかなと、思います。

ちょっとまえの河瀬くんのように。

いちどやったらやめられない、連綿と続く芝居地獄へようこそ。たのしいよ。

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