月に叢雲、花に風事件簿
つきはな公演の裏側でほんとうにあった些末事 【為房羽織リバーシブル事件】 今回の演目は「源平モノ」。 衣装担当・鈴木貴子嬢の腐心により、チーム毎の色が割り振られた。 平家チームは赤~黒、源氏チームは青~白が基調となっていた。 ゲネプロ(舞台で行う本番さながらの通し稽古)でのこと。 為房大輔氏演じる平清盛が、未来人・言人(トキヒト)の助言を受け、 豪奢な着物で登場する場面。 当然、ごりっぱな赤き羽織を翻しているはずが、 舞台上には、 何故か白い羽織を着て洋々と闊歩する為房氏の姿 羽織のオモテとウラを間違えて着用してしまったうえ、 更に裏地が「源氏カラー」然とした純白であったことが 周囲の混乱に拍車をかけた。 舞台上の共演役者も舞台袖の待機役者も一丸となって 狼狽した瞬間であった しかし裏地は裏地でとても輝かしくきらびやかであり、 「へー、白い羽織も着るんやー」 という感想を述べた者もごくまれにいたとかいないとか 【デュエリスト事件】 稽古期間中、男性陣の一部は某漫画原作の某カードゲームに 思春期かよというほど熱をあげており、 飲み会の席でデュエルが始まることもしばしばであったという。 その余波は演出・河瀬氏の演技指導にも及び、 無念を晴らすため画策する昏き復讐者・源義経という 役どころを演じる森孝之氏に対して 「そこで!デュエリストになって!トラップカード発動して!」 などという指示を出していた。 なんとなくニュアンスが伝われば幸いである 余談であるが、河瀬氏の演技指導と言えば 「生チョコをこう、(まるめるしぐさ)コーティングして!」 という一節も味わい深いものがあった 更なる展開として、ホール入り後の 図書菅氏による「遊戯王占い(※)」が挙げられる (※お伺いをたてると、氏が自身の所有する遊戯王カードのなかから その人のイメージに合致するカードを選出し、いつのまにやら 楽屋の自席にセットされるという形式の有難き託宣) 【ビックリマン事件】 言人(トキヒト)役・楠 海緒嬢の台本、最後のページの裏面に、 日毎ビックリマンシールが貼られていく怪現象が発生。 稽古場に来るたび、持ち主の与り知らぬうちにいつのまにか 一枚、また一枚と増えていくシール。 どんどん...